1手が1万円
― JT杯2回戦、熊本城ホールへ
将棋日本シリーズJTプロ公式戦2回戦 (9/12 熊本城ホール) の見どころ。藤井聡太竜王・名人と八代弥八段の対戦は通算4戦4勝。1手につき1万円が熊本県へ寄付される「熊本復興応援対局」です。
熊本へ
9月12日、熊本市の熊本城ホールで将棋日本シリーズJTプロ公式戦の2回戦がおこなわれます。 藤井聡太竜王・名人(24歳)と八代弥八段(32歳)の一局です。
会場はもともと、益城町のグランメッセ熊本の予定でした。 熊本地震の影響で熊本城ホールに変わり、「熊本復興応援対局」として開催されます。同日に予定されていたこども大会は中止になりました。
この対局では、1手につき1万円が将棋日本シリーズから熊本県へ寄付されます。 終局時の総手数で計算されるので、長い将棋になるほど金額が増えていきます。
今月9日に終わった王位戦第6局は140手でした。 同じ手数で終われば、140万円が熊本へ届くことになります。
対局のあとには佐藤康光九段を迎えた棋士トークショーもあります。福岡出身の佐藤天彦九段、佐賀出身の武富礼衣女流二段、熊本出身の松下舞琳女流初段が参加します。
10分の将棋
JT杯の持ち時間は、各10分と考慮時間です。
王位戦第6局は、二日制の8時間を双方が使い切って1分将棋に入りました。 その3日後に、10分の将棋を指すことになります。
同じ棋士が、これだけ違う時間の中で戦う。棋戦をまたいで見ていると、そういう場面に出会います。
青野照市九段の弟子
八代八段の師匠は、青野照市九段です。
王位戦第6局で立会人を務めた棋士です。 藤井竜王・名人の番勝負で立会人に入った回数は、棋士のなかで最も多く、第6局で16局目でした。
八代八段は居飛車党です。矢倉を得意戦法に挙げ、相掛かりや横歩取りも指します。丁寧な受けに定評があります。 2016年度の朝日杯将棋オープン戦で優勝しました。一次予選から勝ち上がっての優勝は、この棋戦では初めてでした。
八段になったのは、昨年7月のことです。 七段のころの「八代弥七段」は、風車の弥七が紛れ込んでいるようで、つい二度見していました。 いまは「八代八段」で、八が並びます。どちらの字面でも得をする棋士です。
4戦4勝
藤井竜王・名人と八代八段の対戦は、通算4戦。すべて藤井竜王・名人が勝っています。
- 2018年 新人王戦(後手番)
- 2021年 竜王戦2組決勝(先手番)
- 2021年 竜王戦決勝トーナメント(後手番)
- 2023年 NHK杯準決勝(先手番)
先手番で2局、後手番で2局。どちらでも星を落としていません。 最後に対戦したのは2023年のNHK杯準決勝で、3年半ぶりの一局になります。
八代八段は8月1日の1回戦で増田康宏八段を破り、ここまで勝ち上がってきました。
勝てば準決勝
JT杯は12名によるトーナメントで、上位4名が2回戦から登場します。
藤井竜王・名人の出場は2019年から8回連続で、2021年以降はシードです。 優勝は2022年、2023年、2025年の3回。この棋戦の通算成績は17戦13勝4敗になります。
勝てば10月31日の準決勝です。相手は永瀬拓矢九段。 永瀬九段は9月5日に石田直裕六段を破って、すでに準決勝に進んでいます。
熊本城ホールの盤上では、1手ごとに1万円が積み上がっていきます。 指し手の数が、そのまま熊本への支援になる一局です。