藤井聡太データラボ 対局を、記録する。数字で読む。
振り返り 2026.07.24 王座戦

王座戦74期 挑決準決勝
― 丸山忠久九段を破り、決勝へ

第74期王座戦・挑戦者決定トーナメント準決勝(7/24 丸山忠久九段戦)を振り返ります。

気づけば差が広がる完勝、決勝へ

7月24日、東京将棋会館でおこなわれた第74期王座戦・挑戦者決定トーナメント準決勝。

藤井聡太竜王・名人が先手番で丸山忠久九段を91手で破り、挑戦者決定戦へ進みました。派手な決め手が飛び出したわけではありません。じわじわと差が開き、気づけば大差。そんな完勝でした。

じつは丸山九段は、藤井竜王・名人が公式戦で負け越している数少ない相手です。初対戦の2020年から直近2024年の銀河戦決勝まで、通算は1勝3敗。奇しくも初対戦も、ちょうど6年前の同じ7月24日でした。苦手にしてきた強敵を、同じ日付の再戦できっちり退けた一局です。

前期、伊藤匠王座にこのタイトルを奪われた藤井竜王・名人にとって、奪還への挑戦権はあと1勝です。

角換わり、早めの角交換から

戦型は角換わり。8手目、丸山九段の△3三角に藤井竜王・名人がすぐさま9手目▲3三角成と応じ、早々と角交換になりました。

互いに銀を繰り出し、金銀をぶつけ合う力戦模様の中盤へ。派手な仕掛けが一度に決まるのではなく、細かい駒の取り合いが続く展開でした。

気づけば大差

この将棋に、はっきりした「潮目」はありませんでした。

大きな見せ場や形勢の逆転があったわけではなく、藤井竜王・名人が少しずつリードを広げていきます。1手ごとに評価は先手へ傾き、逆転らしい逆転は最後まで生まれませんでした。

じっくりと相手の攻めを催促し、駒の損得と働きで上回っていく。派手さはないけれど、崩れない。藤井竜王・名人の強さがそのまま出た中盤だったのではないでしょうか。

首を差し出した終盤

大差を意識した丸山九段は、84手目△8六桂と勝負手を放ちます。

しかし攻めは届きません。88手目△7八桂成と桂を成り込んで金を取りますが、先手玉には響かず、逆に自玉が寄せられる番。いわば首を差し出す格好になりました。

藤井竜王・名人の応手は的確でした。89手目、▲8五飛とバッサリ飛車を切ります。飛車を渡しても、すでに後手玉には詰みがありました。91手目の▲7三銀を見て、丸山九段の投了となりました。

決勝へ ― 再挑戦まであと1勝

今日の勝利で、藤井竜王・名人は挑戦者決定戦へ駒を進めました。

決勝の相手は、広瀬章人九段。7月6日の準決勝で羽生善治九段を破って勝ち上がってきました。ここを勝てば、五番勝負の舞台で伊藤匠王座と再び相まみえることになります。失冠から再挑戦まで、あと1勝です。

参考 · Reference 自前解析の評価値推移
Eval · 先手視点
先手 + 後手 − 84手 88手
  • 84手目 — 丸山九段の勝負手 △8六桂
  • 88手目 — 首を差し出す形の △7八桂成
解析条件
エンジン
水匠5
探索深さ
18
最大変動
221cp
形勢逆転
0回
解析手数
91手

評価値は当サイトの自前解析(水匠5(YaneuraOu NNUE 9.41git 64AVX512 TOURNAMENT)/探索深さ18)。あくまで参考値で、実戦の最善を保証するものではありません。棋譜・指し手は掲載していません。