藤井聡太データラボ 対局を、記録する。数字で読む。
振り返り 2026.07.01 棋聖戦

棋聖戦97期 第3局
― 藤井棋聖、ストレートで7連覇防衛

第97期棋聖戦 第3局 (7/1 沼津御用邸) を振り返ります。3-0で棋聖7連覇。

3-0ストレート、棋聖7連覇達成

7月1日、沼津御用邸東附属邸第一学問所でおこなわれた第97期棋聖戦五番勝負・第3局。

藤井聡太棋聖(23歳)が先手番で服部慎一郎七段を87手で破り、シリーズを3勝0敗としました。ストレートでの防衛です。 2020年の初戴冠から、91期・92期・93期・94期・95期・96期・そして今期97期。棋聖位7連覇の達成となりました。

戦型は角換わり

戦型は角換わりでした。 親の顔よりよく見ると言われるほど、最近はよく指される戦型です。 今回も金や玉を遠回りしながら移動したりと、ジリジリとした序盤戦になりました。

51手目 ▲2六角 ― 攻めの布石

流れが動き始めたのは、51手目の▲2六角。 持ち駒の角を、直接2六に打った一着です。 角換わりの中盤で、この時点では自陣の駒組みが落ち着いています。 2六の角は攻めの拠点であり、後半への伏線となりました。

63手目 ▲同銀 ― 毒まんじゅう

そして形勢が動いたのは、63手目 ▲同銀のあとでした。

5六に銀が出たところで、4六の歩が飛車でただ取れる状態。 しかも、そのあと飛車が成り込めるという絶好の手に見えます。

藤井棋聖まさかのうっかり、なわけはなくて、その後の展開もしっかり用意していました。

しかし、取ってこいと言われた4六の歩を、服部七段も放置するわけにはいきません。 何かあるかとかなり悩み、52分の考慮のあと、飛車で取りました。

やっぱり毒まんじゅうだったのか

飛車で4六歩、その次の藤井棋聖の手は▲4五桂。 これが用意の手でした。

このあとも飛車が成り込める状態は続きましたが、玉に迫るスピードが違いました。 藤井玉に迫るには程遠く、飛車も手放しながら、藤井棋聖は正確に服部玉に迫ります。

87手目 ▲7一角成 ― 寄せの一着

最後は87手目、▲7一角成。 角もタダで取られる手ですが、そのあとの▲7三金と取れると、銀を取られてほぼ必至です。

ここで攻防見込みなしと見て、服部七段の無念の投了となりました。

攻めの起点だった2六の角が、最後は7一に成って寄せを決める ― そんな一局でした。

7連覇 ― そして王位戦第1局へ

これで藤井聡太棋聖は、棋聖位を7連覇。 2020年に渡辺明棋聖(当時)から奪取して以降、一度もタイトルを譲っていません。 挑戦者・服部慎一郎七段にとっては、シリーズを通じて力の差を感じさせられる3局だったかもしれません。ただ、この舞台に立ち続けられる棋士は多くありません。またの登場を待ちたいところです。

そして、休む間もなく次のタイトル戦です。 7月4日から、王位戦七番勝負・第1局が浜松八幡宮 楠倶楽部で開幕します。相手は伊藤匠叡王・王座。今年度の藤井棋聖にとって、最大のライバルとの一戦です。

いい流れのまま、浜松でも藤井棋聖の一番を見届けたいですね。

参考 · Reference 自前解析の評価値推移
Eval · 先手視点
先手 + 後手 − 51手 63手 87手
  • 51手目 — 攻めの布石 ▲2六角
  • 63手目 — 毒まんじゅう ▲同銀
  • 87手目 — 寄せの一着 ▲7一角成
解析条件
エンジン
水匠5
探索深さ
18
最大変動
450cp
形勢逆転
0回
解析手数
86手

評価値は当サイトの自前解析(水匠5(YaneuraOu NNUE 7.63 64APPLEM1 TOURNAMENT)/探索深さ18)。あくまで参考値で、実戦の最善を保証するものではありません。棋譜・指し手は掲載していません。