藤井聡太データラボ 対局を、記録する。数字で読む。
振り返り 2026.06.27 王座戦

王座戦74期 挑決2回戦
― 佐藤天彦九段を破り、準決勝へ

第74期王座戦・挑戦者決定トーナメント2回戦 (6/26 佐藤天彦九段戦) を振り返ります。

夕食休憩前に決着、準決勝へ

6月26日、東京将棋会館でおこなわれた第74期王座戦・挑戦者決定トーナメント2回戦。

藤井聡太竜王・名人(23歳)が後手番で佐藤天彦九段(38歳)を58手で破り、準決勝へ進みました。終局は17時44分。夕食休憩を待たずの決着でした。

前期、伊藤匠王座にこのタイトルを奪われた藤井竜王・名人にとって、奪還への道のりはあと2勝です。

角換わりから、囲わず急戦の構え

戦型は角換わり。後手藤井の△3三銀腰掛け銀に、先手佐藤も▲4八銀から▲4七銀の腰掛け銀で応じました。

特徴的だったのは藤井の構え方です。△4二玉のまま玉を囲わず、△7三桂・△6三銀・△5二金と急戦の準備を進めました。先手の佐藤も▲6八玉から▲7九玉と上がるものの、本格的な囲いを保留した、お互いに囲いより手将棋を選ぶ立ち上がりでした。

34手目、藤井の△7五歩。45分の長考の末の仕掛けでした。

正確な受けで保っていた佐藤

藤井の仕掛けに対して、佐藤の応接は丁寧でした。

45手目までの局面では受けの佐藤がよく耐えていて、評価値もわずかに佐藤に。

47手目 ― 攻めへ転じた瞬間

潮目が変わったのは、47手目でした。

6七金右がベスト。ですが、同飛車で飛車を切られたあとの攻めを受け切れるかどうかがかなり微妙です。 解説陣もかなり検討をしていましたが、それでも寄せ切らせそうでなかなか指すのは難しい手。

そして25分26秒の長考での選択は、▲7四歩でした。

ここから先手は▲7三角と攻めの体勢に転じます。しかし評価値は、佐藤が攻めるほどに藤井寄りへ傾いていきました。

受けの手番では正確だった佐藤の指し回しが、攻めに転じた瞬間に噛み合わなくなった。そんな印象の中盤でした。

藤井の寄せ ― △8八歩からの一直線

劣勢を意識した佐藤の攻めに、藤井の応手は的確でした。

しっかりと考えたあと、52手目△8八歩は持ち駒の歩を先手陣に叩く一着。 どうとっても味の悪い形で、▲同金のあとの△8七歩は速かったですね。 そしてこれが激痛でした。

先手玉に詰めろの寄り筋が見えた局面で、佐藤の投了となりました。

残り時間は先手1時間0分、後手2時間16分。各5時間制の対局としては、決着の早い一局でした。

準決勝へ ― 王座復位まであと2勝

今日の勝利で、藤井竜王・名人は王座戦の挑戦者決定トーナメント準決勝へ進みました。

準決勝を勝ち、決勝も勝てば、五番勝負の舞台で伊藤匠王座と再び対峙することになります。失冠から、再挑戦まで、あと2勝。

棋聖戦五番勝負・第3局は7月1日、沼津。王位戦七番勝負・第1局は7月4日、浜松。タイトル戦の予定が連なるなかでの王座戦勝ち上がりです。次戦の準決勝は組み合わせ次第ですが、今日の指し回しを見るかぎり、引き続き目の離せない夏になりそうです。

参考 · Reference 自前解析の評価値推移
Eval · 先手視点
先手 + 後手 − 47手 52手 54手
  • 47手目 — ここで形勢が動き始めた
  • 52手目 — 寄せの一着 △8八歩
  • 54手目 — 激痛の △8七歩
解析条件
エンジン
水匠5
探索深さ
18
最大変動
330cp
形勢逆転
0回
解析手数
57手

評価値は当サイトの自前解析(水匠5(YaneuraOu NNUE 7.63 64APPLEM1 TOURNAMENT)/探索深さ18)。あくまで参考値で、実戦の最善を保証するものではありません。棋譜・指し手は掲載していません。