棋聖戦97期 第2局
― 藤井棋聖、後手番で連勝
第97期棋聖戦 第2局 (6/19 日光金谷ホテル) を振り返ります。
後手番で押し切り、2勝0敗
6月19日、日光金谷ホテルでおこなわれた第97期棋聖戦五番勝負・第2局。
藤井聡太棋聖(23歳)が後手番で服部慎一郎七段を80手で破り、シリーズを2勝0敗としました。防衛まであと1勝です。
相掛かりから、競り合う中盤へ
今回、先手番の服部七段。2025年の朝日杯で藤井棋聖を破った矢倉ではなく、戦型は相掛かりでした。 互いに飛車先を伸ばし、角道を開けずに進む出だしになりました。
序盤から中盤にかけては小差。評価値の上では藤井棋聖がわずかにリードという、踏み込みどころを探り合う展開が続きました。
競り合いの中の好手 ― 48手目 △9二歩
その中で目を引いたのが、48手目の △9二歩です。
自陣に静かに歩を一枚足す受けの一手。地味ですが、最善手でもありました。相手の攻め筋を先回りで消し、わずかなリードを確実にする、味のよい一着でした。
形勢が動いた中盤の終わり
評価値が大きく動いたのは、中盤の終わり55手目の6八銀です。
服部七段もうっかりだったと言っていた通り、3五歩が激痛で、香車で飛車が取られる形になってしまいました。
ここで一気に評価値も藤井棋聖側へ傾き、以降は藤井棋聖が一貫してリードを保ち、攻めをつないでいきます。
一度傾いた流れは戻らず、終盤は後手の攻めが先手玉に届く形になりました。
しかし、ここでも目を引いたのが4四歩です。一気に攻めるのではなく玉を広くする手で、結果的に服部七段の攻め筋を潰す手でした。 評価値的にはベストではなくても、対戦相手的にはかなり厳しく感じる手だったのではないでしょうか。
その後は、ベストの3六歩から入り、最後、80手目の3六馬で、長手数ですが詰みがあり、ここで服部七段の投了となりました。
まとめ ― 防衛に王手
藤井棋聖が後手番で押し切り、シリーズは2勝0敗となりました。
地方対局で、鉄分補給をした藤井棋聖は本当に強いですね。
第3局は7月1日、静岡・沼津御用邸東附属邸第一学問所。藤井棋聖が勝てば、棋聖位の防衛が決まります。
が、その前に、6月26日には王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦・佐藤天彦九段戦が控えています。 スケジュールはタイトですが、最近のいい流れで、こちらも一気に勝ち上がってほしいですね。
- 48手目 — リードを確実にした一手
- 55手目 — ここで形勢が大きく傾いた
- エンジン
- 水匠5
- 探索深さ
- 18
- 最大変動
- 999cp
- 形勢逆転
- 0回
- 解析手数
- 80手
評価値は当サイトの自前解析(水匠5(YaneuraOu NNUE 7.63 64APPLEM1 TOURNAMENT)/探索深さ18)。あくまで参考値で、実戦の最善を保証するものではありません。棋譜・指し手は掲載していません。